「お待たせ致しました、フルーツミックスフラペチーノでございます」
「はーい、こっちです」
なぜ、こんなことになってしまったんだろう。
駅前のオシャレなカフェで怜くんと向かい合って座っているなんて、どう考えても信じられない。
隣にはフルーツミックスフラペチーノがやって来て、ニコニコ顔を浮かべる瞳ちゃん。
「オレンジジュースのお客様」
「は、はいっ!」
テンパった私は店員さんの声に、大きく手を挙げた。
その光景を見て、店員さんがクスッと笑う。
わー、恥ずかしい。
ピンと伸ばした手をおずおずとスカートの上に戻して、軽くうつむく。
すると目の前にオレンジジュースが差し出された。
向かい側のテーブルの上には、アイスカフェオレが置かれている。
怜くんはだんまりで瞳ちゃんは上機嫌、なんとも言えないこの微妙な空気感。
ものすごく居心地が悪いんですけど!
「で、協力してほしいことって?」
意外にも、沈黙を破ったのは怜くんだった。
淡々とした口調で、いきなり核心を突いてくる。
私はドギマギしながら瞳ちゃんをチラ見した。
クールな怜くんを前に、さっきと変わらない楽しげな横顔。
度胸あるなぁ。
「実はね……ダブルデートに協力してくれないかなぁと思って」
「ダブル、デート?」
眉をひそめる怜くん。
「そう!私と咲花ちゃんと三沢くんと怜くんの四人で遊園地に行かない?」
「「え?」」



