真後ろにいる怜くんに全意識が集中する。


触れているところがジンジンして落ち着かない。


……熱い。


「おい、聞いてんのか?」


「え……?あ、ご、ごめん……っ!先生に頼まれて……断れなくて」


責められているみたいに聞こえて、つい声が小さくなる。


後ろから突き刺すような視線を感じたけど、体の火照りは治らなくて。


「ご、ごめんね、もう大丈夫だから」


離れようとして体をよじると、怜くんの腕はスッと離れた。


ーーホッ


よかった。


密着したままだと落ち着かなくて、どうにかなりそうだったから。


「つーか、こんな重いもん女子に運ばせるヤマちゃんって鬼だなー!なに?夏休みの宿題?」


明るく無邪気に笑う三沢くん。


怜くんほどではないけど、男子っていうだけで身構えてしまう。


「あ、う、うん。職員室にまだたくさんあるよ」


「うげー、マジか。宿題なんかいらねーのに。とりあえず、それゴミ箱に捨てない?」


「えっ!?いや、さ、さすがにそれは……どうかな」


「だーいじょうぶだって!」


「いや、あの……でも」


冗談、だよね?