ずっと前から、お前だけ。



「い、嫌だなんて、そんなっ……!」


とっさにそう口にしていた。


苦手だけど、嫌っていうわけじゃない。


それに、怜くんもこんな私なんかといたくないかなって思っただけ。


「じゃあ、いれば?」


「う、うん。そう、だね」


結局逆らうことができなくて、ストンと椅子に腰掛けた。


嫌じゃないのかな。


私なんかと一緒にいるの。


昨日のこともあるし。


チラリと彼に目をやると、無表情にスマホをスクロールしている。


わ、まつ毛長っ。


男子なのにお肌はキメが細かくて透き通っている。


肩幅もがっしりしていて、腕には太い血管が浮き出て筋肉もある。


男子のことをマジマジ見たことがなかったけど、やっぱり女子とは違うんだな。


って、当たり前か。


昨日とは打って変わって、いつも通りのクールな態度を崩さない怜くん。


『雪村じゃ……ねーから』


好きな人が私じゃないって。


そんなこと、初めからわかってるよ。


知ってるよ。


私、そこまでバカじゃないもん。


でも……。


怜くんの好きな人って……誰なんだろう。


苦手なのに気になるなんて、変なの。