ずっと前から、お前だけ。



だから私もこっそり『怜くん』なんて呼んでしまってるわけだけど。


当然ながら本人に向かって呼んだことはない。


というか、呼べるわけがない。


「怜は行かねーって言ってんだから、しつこく誘うなよ。お前らだけで行って来いって」


「いいよなー、モテる奴は。合コンに行く必要ねーもんな」


「はは、いいだろー?ってことで、怜のことは諦めろ」


怜くんを庇ったのは、サッカー部に所属しているやんちゃ系のイケメン男子、三沢 翠(みさわ すい)くん。


三沢くんはとにかく明るくて、どんな時でも笑顔を崩さない。誰にでも同じ態度で接し、一緒にいると場を盛り上げて笑わせてくれる。


太陽みたいにキラキラ眩しい、クラスのムードメーカーだ。


イケメンで性格も良くてサッカーもうまいとくれば、モテないはずがなく。


毎日誰かしらに告白されている、らしい。


そんな三沢くんと怜くんは、中学の時からの親友ですごく仲が良い。


そして、私もふたりと同じ中学出身だったりするんだけど。


あいにく、ほとんど接点はない。


唯一あるとすれば、三年間ずっと怜くんと同じクラスだったということだけ。


それでもほとんど関わりはなかったけど、昨日の様子からすると名前は覚えてくれているみたい。