「日本人初、そして史上最年少での○○賞を受賞ということで、今のお気持ちを伺ってもよろしいですか??」



そう日本人記者の人にマイクを向けられ、

笑顔を作りながら頭の中で言葉を整理した。


太一君の彼女になってもうすぐ1年になる。

あれから色々なことがあった。

男子バレー部はインターハイ、春高に出場し、
そして3年生が引退し卒業していった。

私はというと、お父さんとの旅行先の海外で撮った1枚の写真が注目を浴び今に至る、という感じだ。




「写真を撮り始めてから、私に様々な経験をさせてくれた父と師匠、私に色々な感情をさせてくれた全ての人に感謝しています。
それと同時に、やっと父と同じ土俵に立てたという気がして少し達成感のようなものを感じています。」




そうインタビューに答え、ゆっくり目を開けると、

日本人記者さんの奥で

ニヤッと笑う、お父さんと師匠と目が合う。


お父さんも若い頃にこの写真の賞を受賞している。

まだまだ勝ったとは言えないが、

やっとお父さんと戦えると思った。


はやく日本に帰って、

この喜びを太一君に伝えたい。

だって今日の私がいるのは

彼のおかげ。


太一君がいれば、私の世界はいつだって綺麗になる。


本当にありがとうって伝えたい。