太一君の顔が近すぎて、

後ずさりしようとすると、

私の背中に太一君の腕がまわっていて出来なかった。




「俺が言いたいんだよ、それ」


「え?」




数秒間の沈黙。

なぜか、太一君から目がそらせなかった。

太一君に触れられているところが妙に熱かった。

そして、




「だから…俺も環奈が好きなんだよ。

……俺の彼女になって下さい。」




そう、優しく微笑みながら

太一君が口を開いたんだ。


た、太一君が!?


え、私、なの??




「嘘…」


「本当だよ」




急に目元から溢れ出した涙を、

手で誤魔化しながらも、




「な、なる!太一君の彼女!」




そう言うと、




「喜んで」




クシャッと笑った太一君に

そのまま抱きしめられたんだ。