目を開けると、
見覚えのある天井が見えた。
さっきと同じ。
私が今日休む自室だ。
何か懐かしい夢を見ていた。
もう思い出せないけど。
何故だか分からないが
いつもの普通の夢よりも、
思い出さなければいけない気がする。
「…あっ!!」
夜ご飯の準備!!
ってあれ?今何時?
そう思い飛び起きると、
部屋の壁にもたれたまま寝ている男の人…
一ノ瀬、先輩?
私、何か大きな勘違いをしていて、
昔の私が…
そうだ、昔の夢を見ていて
一ノ瀬先輩には分かってもらえてないと思っていたけど、
さっき、それとは真逆の事を言っていて…
「…環奈?」
その懐かしい声に大きく反応してしまう。
目が合った。
緊張から手が汗ばんでいくのが分かる。
「あ、悪い…その、なんだ。
勝手にあのカメラマン達に色々言って」
その少し困った様子に、
先輩も私と同じなんだと気付く。
ちょうど1年ぶりの会話。
何か、言わなきゃ。