体育館に2つの高校の男子バレー部が集まり、
注意事項を監督から聞いている間、


私はずっとあのお守りを、

ポケットの中で握りしめて

自分に言い聞かせていた。


"私は写真家。全ての人にレンズを向けられる写真家"


そう、心の中で復唱して。


チラリと隣のコートを除くと、

私が知っている2人はスターティングメンバーのようだった。


だから何だ、
ただの1人の選手じゃないか。

この前と同じだ。撮れる。


そう信じて

自分のチームの方に目線を戻すと

隼人が隣にやってきた。




隼人「もっとリラックスしろよー、練習だろ?」


「ただの、練習。そう、だよね…」