太一「環奈?どうし…」




太一君に名前を呼ばれ、

ハッと我を取り戻す。




「も、もう、戻るね!

美月ちゃんまた後で!!」



白井「え?は?高槻!?」




少し後ずさりをしてから、

一気に走り出す。


途中、太一君の声が聞こえた気がしたけど

気にしていられなかった。



美月ちゃんごめん。

まだ無理だよ、私。



第3体育館の裏まで来ると、

座り込んで深呼吸をしてみる。




目が合った。

やっぱりやっぱり本物だった。

私を見た時、息をのんでたもん。





何でこんなところにいるんですか、



一ノ瀬先輩…。