太一「環奈?」


「え?あ!太一君」




太一君に声をかけられて我にかえると、

みんな既に、宿の前に移動していた。


はぁ、ダメだ、集中しないと。




太一「何ぼーっとしてるの?」


「関東大会のこと、思い出してて…」


太一「あー、うん。

もう終わったことだし気にするなよ?行くよ」


「…うん」





花崎のことを考えていたわけではないと、

今更言い出せずにそのまま返事をする。

最後の試合の相手は、

春高優勝高校で、
先週の関東大会も優勝していた強豪だった。

手が出ないというほどでも無かったけど、

確かに、強かった。


ちゃんとマネージャーとしてもっと支えなきゃと反省しながらも、

太一君の後ろについていったんだ。