遠藤side





環奈の所属する

花崎高校バレー部が出場した関東大会の写真。


雑誌の編集室にて

何十枚ものそれらを広げながらも息をのんでいた。




光太郎「こりゃ……凄いな」


「今までも凄くなかったわけじゃないのになぁ」




おそらく写真に写っている選手達の

1番良い表情が写っているのだと思う。


花崎高校は準々決勝で惜しくも敗れたが、

良い成績だったと言えるだろう。


それにしても……




「本当に良い写真だ。

さすがお前の娘だな、もうほとんど一人前じゃ…ん?」


光太郎「この黒と黄色のユニホームの学校だけ、

少しブレている。」




黒と黄色のユニホーム…。

光太郎と顔を見合わせ、

同じことを思っていると確信する。


環奈が通っていた中学の男子バレー部も確か、

ほとんど同じユニホームだった。


まだ、引きずっているのか。

やっぱり、そうだよなぁ。


あの出来事を

良い思い出と言えるくらいにならないと、




光太郎「今、環奈は合宿中だっけ??」


「ああ、帰って来たら対策を考えなきゃいけないな」


光太郎「対策って言ってもなぁ」




本当に、手のかかる娘をもったもんだな。








遠藤side.end