「いやー、焦った!過呼吸なってる人、初めて見たんだからな!俺!」


「ご、ご心配を、おかけしました。」




私が、そう深々と頭を下げると

隼人は満足そうに頷いてから、教科書を私の目の前に突き出す。




「え?」


「追試、落ちたら本当に怒っちゃうよ?まじで」




えっと?

話がだいぶ変わってはいませんか?

そして隼人の目がとっても怖んですけど!?



「太一が帰ったからって勉強やめるとか言わないよね?」


「す、するよ!もちろん!」




過去のことを思い詰めただけで

過呼吸になった自分が

なんだか情けないと感じながらも

手を動かす。


今は、忘れ物を取りに来たという太一君になんとか帰ってもらい

隼人と2人になったところなのだ。