____太一と矢野の教室にて




矢野「なぁなぁー、あの天使ちゃんどうした?」


太一「…普通に振ったけど」



そう太一の前の席に座っている矢野が尋ねると、何でもないようにして太一がこたえた。



矢野「はぁぁ…いい加減、誰かと付き合えば?天使ちゃんのどこがダメなの?」


太一「ほとんど喋ったことねーのに、何で付き合うとかになるか分かんないんだけど」



矢野が溜め息をつきながら、太一にブツブツ文句を言いだした時、廊下側に楽しそうな白井と、明らかに怒っている七瀬が立っていた。




白井「たーいっちくーん!?ビッグニュースのお知らせでーす!」


太一「な、七瀬先輩…顔が怖いんですけど」


七瀬「瀬戸ぉおお!!俺の天使様を泣かせたとは何事だぁ!!?というか、だいたいお前には高槻という彼女がいるだろ!!」


矢野「え、七瀬君の彼女だったんですか?」


白井「いや?ただのファン」


太一「環奈は彼女じゃないですけど!?」


矢野「まあ確かに。高槻はどっちかというと池沢と一緒だよなぁ」


太一「はぁ!?」


白井「お前はどっちなんだよ?」


七瀬「とりあえずお前ぶっ飛ばす」


矢野「そんなんだから七瀬君モテないんスよ??何の用事だったんですか?」


白井「あ、そうそう!高槻がサッカー部の2年に告られてたよ?それだけ!!じゃあな太一君」


七瀬「クッソ!生意気な2年だな!!じゃあな、矢野と太一君!!」



そう嫌味っぽく太一と矢野の名前を呼んでから、教室を出て行った2人を笑顔で見送った矢野は



矢野「だってよ?太一君?」


太一「るせーよ」



そうイライラした太一が席を立ったのだった。