彼女では…ない?
いや、でもたった今から付き合うかもしれな…
「…そっか、ありがとう。
嬉しいけど、悪い、付き合えない。
好きな子、いるから。」
不安に押しつぶされそうになっていた私は、
太一君のその答えにホッとしてしまう。
最低だ。
きっと、凄く勇気を出して告白したのに。
私は…!
「そ、それってやっぱり…」
「あー、ストップ。内緒だから。
本当にありがとな。」
「わ、私こそ、聞いてくれてありがとう!
じゃ、じゃあ!」
そして、
階段を降りていったあの子ではないけど、
太一君には好きな人がいる
それを知ってしまった私は、
もう1度不安で押しつぶされそうになる。
「環奈、出てきて良いよ。」
そう言った太一君は、
今、どんな顔をしているだろう。

