彼女はもうバレーを撮らないと思っていた。
俺がそうさせてしまったのだと思っていた。
2年前、俺は彼女をひどく傷つけた。
その罪悪感は、
今でも心のど真ん中に居座っている。
そして、全力疾走のすえ、
辿り着いた教室のドアを勢いよく開ける。
「おい!恵吾と美月!!」
「朝から何ー?
俺のこと好きすぎて走って来ちゃった!?」
「これ見たか?」
「さすが一ノ瀬!華麗にスルー!?
え、何?バレー誌?」
「見てないけど」
やっぱりな。
そう恵吾のボケすら頭に入って来ない俺は、
彼女が写っているあのページを
2人に見せたんだ。

