一ノ瀬side
学校の教室につくなり、
前の席にいる同じバレー部の奴と挨拶を交わす。
ここまではいつも通り。
そして、いつもと違ったのは
その前の席の奴の机に、
見覚えのあるものが置いてあったことだ。
この写真…
「ちょっとこれ見ていいか?」
「ん?あーいいよ。
昨日発売のやつね。」
そう言われて、
それが雑誌だと初めて気付く。
表紙のやけに躍動感のあるスパイカーの写真に釘付けになる。
こういう写真を
俺は知っている。
「……おい、これ何の雑誌だ?
この写真、誰が撮った?!」
少し、早口になってしまっている俺は
かなり焦っているのかもしれない。
でも、この写真は…。
「なんか朝もテレビでやってたよ。
誰だっけなー…。
あ、その雑誌の最後の方のページに写真載ってた!」
そして俺はすぐに
後ろ方のページをめくったんだ。

