目の前の彼が真ん中に写っている写真。


印刷はしたものの、

もう一度眺めて、



やっぱり私が撮ったのなんて

意味ない、かな。

お父さんに撮って欲しくてバレー始めたのに、

私のじゃ…




「何?それ」


「…き、昨日の…なん、ですけど、

やっぱり…」




渡すの、やめよう。

そう思って再びカバンの口を開けると、




「すげぇ…俺じゃないみたい。」




そう覗き込んで、

呟くセッターさん。


そんな感嘆の声が上がるなんて

思ってもいなかった私は、




「え?

あ!その…よ、良かったらどうぞ!
お父さん、にも、見せてあげて下さい。

バレーやってる時のあなた、
とっても輝いて、いるから…」




そう言って、

おそるおそる彼を見上げると


セッターさんは
驚いたように一瞬目を見開いてから

自然な笑顔になって




「ありがとう。

これ、俺の連絡先。
何か困ったことあったら連絡して。

何か罪滅ぼししないと
気が済まないから。

本当に悪かった、
それから本当にありがとう。」




そう私の手にメモを握らせると、

小走りで去っていったんだ。