太一君が喋ると息が首にかかって、
体温がさらに上がる。
頭が真っ白になった。
太一君の力になりたいと言ったけど、
この太一君の行動と何の関係があるのか
分からない。
30秒ってこんなに長いんだっけ?
「た、太一君!?」
「充電」
「い、意味わかんない…」
恥ずかしさでどうにかなりそうな心を
何かを話すことで誤魔化そうとしたけど
無駄だった。
もっと熱が顔に集まってきている気がする。
そしてしばらくの沈黙の後、
「さっきの試合中、
心のどっかで環奈のこと心配してた。
本当にもう大丈夫なんだな?」
そう言ってから
太一君は顔を上げる。

