「さ、桜田先輩!?」
「藤堂は能天気だから大丈夫だよー。
それより、環奈、ちょっとお願いがあるんだけど?」
てっきり隼人だと思っていた私は、
思わず大きな声を出してしまう。
太一君もびっくりしてるし…
何より桜田先輩の笑顔が
爽やかすぎてこわい。
「え、あの!?」
そのまま桜田先輩は私ごと
太一君から少し離れると、
「今日の太一、バレーの調子良さそうに見えるけど、力任せで危ない。
フォームちょっと汚いし。
環奈のせいなんだよね?
なんとか、してくれる?」
笑顔がこわい。
でもキャプテンとして、
太一君のことを考えてる。
私が昨日、太一君にわがまま言っちゃったせいだ。
「ご、ごめんなさい。
でも、どうしたら…」
そして、すぐ横の桜田先輩の方を見ると
「簡単だよ?
ああ見えて太一、単純だから。」
「え?」
そう言って、
私の耳元で話し出したんだ。

