藤堂君には私が見える位置で待っててもらうことにして、
急いでカメラを構える。
花崎の次の試合まであまり時間は無い。
お守りをつけている方の手首を
額にあてると
ゆっくり息をはきだす。
私の写真が好きだって言ってくれた
太一君や監督、写真集を手にとってくれた人のためにも
またあんな無様な写真を見せることがないように…
パシャシャシャッ
自分の私情を押し殺して、
目の前の選手達に目を移す。
さすが東京予選、
こんなにもカメラマンがたくさんいる。
絶対、1番にならなきゃ。
パシャッ
昨日のセッターさんにも
認めてもらうためにも。

