レギュラーメンバーの輪の中に
太一君が戻って行くのを確認すると、
立ち上がった藤堂君と目を合わせる。
「……巻き込んじゃってごめんね。」
「ん?大丈夫だよ?
1年は応援だけで後は基本暇だから!」
そうニカッと笑う藤堂君。
元気、だなあ。
そして2人で歩き始めると、
「高槻って隼人と太一君と仲良いよね!
どっちかと付き合ってんの?!」
と、興味津々という顔で覗き込まれる。
「え!?いや、そんな…
あの2人の彼女なんて恐れ多い…」
「え!そうなの!?
まあ確かに男の俺から見てもズバ抜けてカッコ良いもんなぁ。
女子とか、めっちゃ騒いでるよ!」
「で、ですよねー」
分かっていたことを改めて言われると、
なんだかグサっと心に突き刺さるような気がする。
私より1年長く花崎高校にいる太一君だ、
きっと3年生でもファンの人はいる。
太一君が私以外の女の子と付き合って欲しい
それが本望でなければならない私が、
傷ついてどうする…。

