「そ、その写真集…… 私のです。 名前、言ってなかったですね…ごめんなさい。 高槻環奈です。昨日、この近所に引っ越して来ました。」 驚かれるのは慣れている。 名刺を受け取った2人は、 写真集に記されている私の名前と 名刺の私の名前を交互に見てめを丸くしていた。 こ、ここまで驚かれるとは…。 「一応、プロの……写真家です」 そう信じてもらえるように2人の目を見ると、 なんだか耐えられなくなって、 苦笑いをしてしまう。