その夜、私は大きく『スキ』と書かれたスタンプを楓に送った。
その返信の『早く寝ろ』と書かれたスタンプはものの数分で返ってくる。
冷たい返事と見せかけて、速攻返信してくれるあたり楓の優しさ滲み出ちゃってるよ。
『おやすみ!いい夢を!』
そう打ち、オマケにハートの絵文字も送信して、あわよくば楓の夢の中に私が登場してくれたら最高、なんて考えながら眠りについた。
私の枕元で、ピコンッと音を立てたスマホに『また明日な』と映し出されたのはもうぐっすり寝付いたあとだった。
その日から、私のスマホを触る頻度が増えていったのは言うまでもない。



