眠り姫の憂鬱。



翌日。

ピンクの小花柄のカーテンから差し込む光で目覚めると、空には青空が広がっていた。


制服であるセーラー服に着替えて、お気に入りのピンクのリップを塗った。

ヘアアイロンで髪を緩く巻いてから、耳の横あたりでツインテールにする。

最後にミルクティー色のカーディガンに袖を通せば、"私"が完成する。



「あら、今日は早いわね」


リビングに顔を出すと、お母さんが温かいココアを入れてくれる。


「今日はちょっと早めに学校行くんだ」

「そう」


天気予報と朝のニュースを見ながら、どちらかと言えば少なめの朝ごはんをとる。

話題は人気アイドルの熱愛報道。


国民的アイドルともなれば恋愛も人並みにできないなんて、アイドルという職業は私には絶対向いてないだろう。


ていうか、このアイドルなんかより楓の方が絶対かっこいい!!!