私から箱を受け取った七海ちゃんは、箱を開けて何かを取り出す。
「七海ちゃん、それなあに?」
「吸入薬」
吸入薬?
え、まさか七海ちゃんって…。
「私、喘息持ってるから」
やっぱり。
吸入薬って呼吸器系の病気の薬が多いし、そういう場合喘息が多いと思う。
これで私が薬を飲むことに、楓が過剰反応していた理由がつく。
七海ちゃんのことがあったから、私も病気なんじゃないかって余計心配になったんだね。
「私、あんたみたいな人見てるとイライラする」
「私みたいな?」
「なんにも考えず、お兄ちゃんとかにヘラヘラしちゃって。すごく腹が立つ」
「……、」
そうか。病気で行動が限られている七海ちゃんからしたら、私みたいにフラフラしている人は不快な存在なのかもしれない。



