眠り姫の憂鬱。



「名前なんていうの?私は雅って言うの」

「…私は、あんたみたいにノーテンキそうな女がいっっちばん嫌いなの!」

「七海《ナナミ》!!」

「へえ〜、七海ちゃんって言うのか!」


私が負けじとにっこり笑うと、七海ちゃんは驚いたような、なんとも言えない顔をした。

それにしても、ノーテンキそうって…。


よく言われる!!


「七海ちゃんってブラコンなんだね!」

「は?」


おっと、口が滑っちゃった。

これでもっと機嫌損ねちゃったらどうしよう、なんて思ったけど。


「べ、別にブラコンじゃないし!お、お兄ちゃんが変な女に捕まらないか、し、心配なだけだし!!」


兄も兄なら妹も妹。

二人揃ってツンデレなんだなあ。

微笑ましくって頬が緩んでしまうよ。