眠り姫の憂鬱。



「じゃあ勉強教えてよ。わからないところがあるの」

「ムリ」

「ええ、いいじゃん!楓、頭良いんでしょ?お願い!!」


手を合わせて頼み込んだ後、楓の様子を伺うと困った顔をしていて、やってしまったと思った。

困らせるつもりはなかったのに。


「俺、早く帰らなきゃいけないから」

「…そうだよね。無理言ってごめんなさ、」

「だから、俺の家に来れば?」

「…え?」


てっきり今回は断られると思っていたのに、まさかのお誘いに一驚した。

だってだって、楓のお家でしょ!


「い、行きたい!!」

「うるさい」


楓のお家ってどんなところなんだろう。

きっとオシャレなんだろうな。

想像するだけで楽しい。