眠り姫の憂鬱。



「…キちゃん、ハヅキちゃん?」

「え、はい?」


どうやら考え込んで違う世界に行ってしまってたらしい。

隣の男の子が私の顔を覗き込んでいた。


「答えが2番になった解説をしてほしいんだけど…。僕わからなくて」

「えっと…、それはここが教科書にも書いてある通り…、」


いけない、いけない。

今日くらいは真面目に授業受けとかないと。

先生に真面目にやってますアピールしとかないと!!


───キーンコーンカーンコーン…

あ、チャイム鳴った。


「…で、2番になる!」

「そっか!ありがとう」

「どういたしまして!」


やっと解放された!

いつも寝てる時間だから眠いや。

欠伸を零しつつ、次の時間の教科書を準備していると、隣の席の男の子が私の方を叩いてきた。


「あのさ、…ここも教えて欲しいんだけど」

「え?」


いや、どんだけ真面目なの!!