眠り姫の憂鬱。



「大丈夫だよ。もう慣れっこだし!」

「今回以外にも聞いたことあるんだ…」


真依を安心させたくて言った言葉は、さらに真依の顔を歪ませた。


「…あ…あのね!ホントに大丈夫だからね!真依みたいに噂を鵜呑みにしない人だっているし」


こういう時どうしたらいいか、わからなくなる。

ホントのホントに私は大丈夫なのに、余計な心配をかけちゃうのは辛い。


「平気なの…?」

「うん!真依がいれば私はそれでいい!」


私が今の生活を変えればこんなことにならないんだろうけど、変えたくないからその条件下で真依には心配かけないように。

私は努力しなきゃと思う。


「ねえ、一限目の授業ってなんだっけ?」


その日私は、久しぶりに全ての授業を受けた。