眠り姫の憂鬱。



「彼氏候補です!」


もしくは夫候補。

すると、先生は呆れたように笑った。


「ってことは振られたってこと?」

「…そうだけど?」

「クックッ、お前も振られるんだな」


…酷くない?なんで笑うの!


「振られたよ!絶賛アピール中だし!」

「へえ~。まあ、頑張って付き合え。そして俺との噂を消せ~」


ムッカ~!!

絶対好きになってもらって付き合ってみせるし!


先生は学校一綺麗だって言われてる白井《シライ》先生と内緒で付き合ってるから、噂が流れたら困るんだろうけど、私はそんなこと知ったこっちゃない。

でも、三郷くんには誤解されたくないから噂は否定しとくよ。

感謝してくださいね、先生。


「先生なんて、白井先生に振られてしまえ!」

「なっ!」


ちょっとだけ怒っていた私は、そんな捨て台詞をかまして保健室を後にした。