眠り姫の憂鬱。



「真依、私はどんな三郷くんだろうと付き合ってみたいよ。きっと、本物の運命の人だから」


付き合ってみたい、だなんて言う私はおかしい奴なのかもしれない。

普通の人なら"付き合いたい"って言うから。

だけど私の場合は彼を知らないから、彼を知るためにというか、付き合うのは運命の人かを確かめる手段でしかないから、"付き合ってみたい"という方が表現があっていると思う。

そういう考えで行動するから良く思われないんだってわかってるんだけど、だからって変えたくない。

私は私のやり方が嫌いじゃないから。


「私が何を言っても無駄なの?」

「無駄だよ」


私がにっこりと笑ってみせると、真依は項垂れるように頷いた。

仕方ない、と。