楓の小さい頃、きっとかわいかったんだろうな〜。

内緒で奈都に見せてもらおうかな。


「…母さんに頼むなよ」

「……わかったよ」


なんでバレたんだ。思考が読まれた!


「じゃあさ、ふたりで写真撮ろうよ!ちょうどそこの桜も綺麗だし!」

「え、今?」

「いいから早く!」


少し強引に引っ張って桜の前に立ちスマホを構える。


「じゃあ撮るよ!」
 
「…雅」

「何?」


と、ボタンを押す前に楓の方を見れば、唇が重ねられて思わず目を見開く。

一瞬、ソフトな触れるだけのキスだったけれど、私を混乱させるには十分なもので。


「えっ、えっ、」

「何驚いてんの」

「な、なんでっ?なにっ、え?」

「何でって、したいと思ったから」


すぐに赤面する楓はどこにいっちゃったの?って思うほど余裕な表情で、いつもの何十倍も色っぽくみえる。