眠り姫の憂鬱。



「ねえ、真依。三郷くんってモテるよね?」

「モテるって言ってんじゃん。諦める気になった?」

「全く!」

「なんだよ!じゃあ何でそんなこと聞いてくるの?」


真依はちょっとだけむすっとして新発売のクリームメロンパンを頬張る。


「あのね、今日の朝にたまたま三郷くんと会ったんだけど、三郷くんは全然告白されないって言ってたの!」


おかしくない?と首を傾けると真依が私に軽くチョップをお見舞いしてきた。

私は痛くもないのに思わずイテッと言ってしまう。


「そりゃ、三郷くんには告白禁止っていうのが暗黙の了解になってるからでしょうが!」

「え?なにそれ!どういうこと?!」


身を乗り出して真依に聞くと、真依は溜め息をひとつして話を続ける。