告白されないなんておかしいよ!

でも、隠すことでもないのに嘘なんてつく理由もないよね。


「三郷くん。私は三郷くんが好きだよ!」

「…っ、声でかいんだよ!」


そう言って三郷くんは私から顔を背けた。

まるで、私とは赤の他人であり会話してたのは三郷くんではないかのように。


「ごめんね、三郷くん。おっきな声で言わないと伝わらないこともあるかなって思って」

「聞こえるし。それに昨日も断ったはずだよね?」

「いやいや、あれで終わりなわけないでしょ!」


私が激しく首を横に振って否定すれば、三郷くんの顔は険しくなった。

でもそんな顔でさえ、かっこいい。


「直ちに諦めて」


三郷くんは素っ気なく言うと、すたすたと先に下駄箱へと向かって行ってしまった。