眠り姫の憂鬱。



「こ、今週の日曜日空いてる?」

「うん」

「じゃあ日曜日に駅前で!」

「了解」


楓に手を振って笑顔で別れた。

その笑顔は作ったものではなく、自然と出てしまったものだった。



日曜日。

朝10時、駅前で待ち合わせをした私たちは水族館へ行った。

楓の私服はシックで大人っぽいもの。それが彼によく似合っていてすごくかっこよかった。


「水族館なんて小学生ぶりだな」

「そうなの?私は初めて!」


小学校の遠足の行先が水族館だったけれど、私は体調を崩し行くことは叶わなかった。

だから今日が人生初の水族館となる。

ペンギンは動物園で見たことがあるが、イルカやウミガメなどはテレビでしか見たことがなかったからとても楽しみにしていた。


「早く行こ!」


そう言って楓の手を引いて水族館へ急ぐ。

笑顔が素敵なお姉さんにチケットをもぎってもらい入館した。