「つまり、あんたが三郷のこと好きって話でしょ」
「へ?そうだよ。前からそう言ってたじゃん」
「全然違うよ。だって今まで感じたことのない感情だったんでしょ?進歩したじゃん」
「進歩?」
「それが本物の恋ってやつなんじゃない?付き合いたいの?」
「うーん、私ばっかり好きでもしょうがないし」
そうか、これが本当の恋ってやつなのか。
私にとって好きって楽しいばっかりで、他の人が言っていたりやネットに書かれているような苦しさを感じたことがなかった。
でも、今は。
胸がきゅんと締め付けられて苦しくなるし、楓のことを考えるだけで顔が火照る。
これが、好きの辛いところか。
ストンと胸の底に落ちるように納得できた。
いつの間にか好きという気持ちが大きくなっていたのだろう。
熱くなる頬を両手で包む。
「少なくとも三郷は雅のこと気になってるだろうね」
「そうかなぁ」
「じゃなかったらわざわざ保健室まで来ないでしょ」
そうだったら嬉しいけれど、…複雑でもある。
だって私はあとどれくらい…。
あと先考えず好きになってしまったことを後悔してももう遅い。



