お昼になり、いつものように真依とお弁当をつつく。


「はぁ〜」

「さっきから何なの!赤くなったと思えば溜め息吐いて!」


どうやら顔に出まくっていたらしい。

我に返って真依の顔を見ると、ゲンナリといった表情をしていた。


「なんかあったんでしょ。三郷?あ、もしかして吉川?」

「駆琉くん?なんで駆琉くんが出てくるの?」

「……そういう反応ってことは三郷か」


なんで駆琉くんの名前が真依の口から出たのかはわからないが、さすがと言わざるを得ない鋭さ。


「ほら、話してごらんなさい」

「…マラソン大会の時、保健室に楓が来てくれたの」

「へぇ〜、よかったじゃん」

「それで頭ゴツンってされてね、体中が熱くなって、こんなの初めてで、」

「ちょ、ちょ!説明ヘタか!全然わからん!」


こめかみ辺りを指で押さえて考え込む真依。

私の説明、そんなに下手だった?