「だからさ、誕生日プレゼントちょうだいよ」

「えっ!ご、ごめん。今あげられるもの、お弁当くらいしかない」


それにこのお弁当をあげてしまったら私の今日のお昼ご飯はなしになってしまう。

何かあげられるものないかと頭を捻るが、特に思い浮かぶものはない。


「吉川くん、ごめんね。私の歌でよかったら歌うよ?」


結局お歌のプレゼントくらいしか思い浮かばない始末。

それを聞いた吉川くんは目をまんまるくして、それから大笑いした。

そんなにおかしかったのかと恥ずかしくなって顔が熱くなってきた。


「よ、吉川くん、そんなに笑わなくても…、」

「ごめん、ごめん!葉月がかわいくてッ…、プッ…ハハッ」


吉川くんの笑いは止まることを知らないようだ。

こっちは顔を赤くすることしかできない。