「そうですか。良かった!」

見た感じ、片足をかばっている様子もないし、本当に大丈夫そう。

私がにこにこ笑うと、彼は不審そうに目を細めた。


「それじゃ、早く私を好きになってくださいね!」


私がそう言うと少なからず、周りの人がざわめき始め、彼はまた驚いたような顔をした。

あ、間違えた。

こんな人通りが多い廊下で言うんじゃなかったかな。

なんて考えていると、後ろから腕をガシッと掴まれて強い力で引っ張られた。


「あんた、何してんの!」


その声の持ち主は間違いなく真依のものだった。


「えっ?」


何をそんなに焦ってんのかと思いながら、小さくなっていく彼をチラチラ見ながら真依に引っ張られていく。

向かっている先はたぶん保健室。

一体どうしたって言うんだ。