眠り姫の憂鬱。



今までずっと授業から行事まで数える程しか参加していない私は、このクラスの子たちと積み上げてきたものはひとつもない。絆とか信頼とかそういうものは皆無だ。

疑われても仕方ない。

そう思っても、悲しいものは悲しい。


「でも盗ってないっていう証拠はないでしょう?」


人との関係が浅いことを思い知らされる。

この中で私のことを信じてくれる人はどれくらいいるんだろう。

クラス全員の視線が痛かった。


「わ、私探してくるっ」

「ちょ、雅っ!」


そう言って教室を飛び出した。


私のこと全てをわかって欲しいなんて思わない。

私のことを完全に信じて欲しいなんて言わない。


だけど私はそんなことしないから。

みんなが頑張っていることを、楽しみにしていることをぶち壊すようなことだけはしないから。

それだけはわかって欲しかった。