眠り姫の憂鬱。



私は、この人のこと絶対好きになると思った。


彼は私のことを見る素振りは一度も見せず、自分で湿布を見つけ出すと足に貼っている。

器用だなって、そんなところもかっこよく見えちゃう。


「あの!」


私の大きな声でやっと彼はゆっくりと気だるげな目を私に向けた。

ああ、もう好きかもしれない。


「好きです!付き合ってください!」


すると彼は目を大きくして驚いた様子を見せた。

そりゃそうだ。

だって初めて会った女に告白されてるんだもの。


「ごめんなさい。他を当たって」


だから、振られたって何とも思わない。

寧ろ納得する。

逆にここでオーケーされたら、軽い人なのかもって心配になる。

もし仮に軽い人だったとしても、私は運命の人だって確信してるから付き合うだろうと思うけれど。