肩をくっと押されて身体が離され、 顔を覗かれる。 近い… 「一之瀬くん…?」 「名前、知ってんなら下で呼べよ。」 「え」 「み・な・と。ほら。」 なんだろう、このシチュエーション。 …それに。 一之瀬くんが、 こんなに整った顔してるなんて、 知らなかったよ… 「み、なと…」 「うん。俺、ちゃんと名前あるから覚えて。」 覚えて、って… あたし、ちゃんと知ってたのに。