「…うん、別れちゃった」 クラスメイトだし、 隼人は誰にでも優しいから、 一之瀬くんとも仲がいいのかもしれない。 「隼人が、他の人のこと 好きになっちゃってね、 あたし、その人より…魅力なかったみたい」 「浮気じゃん、サイテーだな」 「そうかもしれないけど… 浮気するくらい、その子のことが、 …好き、になっちゃたんじゃ、 ない、かなぁ…」 やばい。 涙がにじむ―――と思った時。 ――グイッ 「え」 いつの間にか近くに来ていた 一之瀬くんに肘を引かれて立たされ、 抱きしめられている。