「美桜~、
さっきの授業のノート見せて~?」
朱理は変わらず、笑っている。
「数学?」
「そうそう、
ちょっとわかんないとこがありすぎて、
ノート意味わかんなくなったんだけど!!」
だから、朱理とは
普通に仲良くしている、つもり。
本当は
朱理と話すたび、
涙がこみ上げてくるのを
必死に押さえている。
「朱理、美桜に頼らないで
先生に聞きに行けばいいじゃん」
できれば、唯の言ったように、
先生に頼ってほしいと思う。
「先生より美桜の方が
教え方上手だもん。
唯もそう思うでしょ?」
「ま、それはそうね」

