「あー、寝てるけど。
あいつ一之瀬ってんだ。」

キノが彼を親指で指さす。

「一之瀬くん…いいの?
起こさなくて」

この光景を
あたしたちはもう見慣れたものだけど、
朱理は多少戸惑っている。

「んーまあそうだよな、
おーい、一之瀬~!」

キノが一之瀬くんに近づき
ゆっさゆっさと揺さぶる。

なんて雑な…

一之瀬くんといえば
あたしがいうのもなんだけど
クラスじゃあんまり馴染めてない、と思う。

というか、
いつも寝ていてよくわからない。