――夢は、いつか醒めてしまう。 楽しかった夢の時間は、もう 「終わっちゃたね」 「ん。美桜、また来ようね。 今度は、ふたりで。」 また、なんてない。 「うん。そうだね」 今日が、終わってしまう。 夜行バスに乗り込んで、 隣の席に座って隼人の手を握る。 「ん?珍しいじゃん、どうしたの?」 「手、繋ぎたくて」 最後だから。 これで、最後、だから。 許して。 あたしのことを 好きなふりをする、隼人を 利用するのは今日で最後だからーー…。