「あれ、洗剤なくなった…?」 容器を押してみても ぷしゅぷしゅというだけで、 洗剤が出てくる気配がない。 たしか、詰め替え用の洗剤が 前の方にあったような、 「え?」 一旦濡れた手を拭いて、 詰め替え用の洗剤を 取りに行こうとしたとき、 目の前に洗剤のボトルが差し出された。 「洗剤」 いや、まあそれは見たらわかるんだけど。 いつの間にか隣にいたのは、 会話らしい会話をしたことのない 一之瀬湊、だった。