傷だらけのココロに、癒しの愛を。〔仮〕

人懐っこい性格の朱理は、
今日の遠足の間だけで
随分とクラスのみんなと仲良くなった。

無口そうな一之瀬くんとも
話しているのを見た。

あたしには到底できない芸当で、
少し羨ましくも思う。

「キノってなんで
そんなに身長伸びたのー?」

「えー?
俺がでかいんじゃなくて、
朱理が小さいんだろ~」

「違うよ!!
あたし平均的な身長だもん!

159センチあるよ!」

「ちっちゃいな~」

「ちっちゃくない!

ホラ!唯を見て!」

「見ないで。」

“布施さん”なんて
苗字で呼ぶ人はほとんどいなくて、
みんな名前で呼ぶのが当たり前になった。