A4の紙に
名前を書かなければいけなくて、
そのために席を立って教壇まで行くと
目の前に、久保田くんがいた。
「美桜ちゃん、だよね」
「あ…うん」
……だめだ。
こんなところにも
あの子との繋がりを思い出してしまうモノが
あったなんて。
久保田くんを見ると
あの子とのことを思い出して、
隼人のことを思い出して、
…………胸が、痛い。
「よりによって図書委員か…
よろしくね、美桜ちゃん」
久保田くんは、あれから
どうしてたんだろう。
苦々しく微笑む彼は
どうやって、いままでを過ごしてきたんだろう。

