「ねえ、何してんの?」

後ろから肩を叩かれる。

…誰?

「なんでそんな濡れてんの?
うちくる?」

背の高い男の人。

あたしが下向いているから、顔は見えない。

というか、見る気もない。

「…いえ…」

声を絞り出してみるけど、
聞こえなかったらしく、
肩に置かれた手に力が込められたのを感じた。